注65. 専門知識の教育

日本の大学では、各学部学科の偏差値を高めることが、受験生の獲得に重要です。そのためには、偏差値そのものを高めるための入試制度や宣伝活動と、卒業後の進路に関する情報の公開が鍵になります。特に後者の問題では、卒業生の就職(内定)率と就職先が重要になります。終身雇用制を採用している日本企業の場合、大学側から見て最も優位な選択肢は、大学入学時の学生の偏差値を高めることです。企業側も、学生の優秀さの基準として、大学教育で取得する専門知識よりも、学生の基本的な能力を示していると思われる偏差値を重視しているからです。ですから、大学側に専門知識の教育に重点をおいた教育を採用する利点はそれほどないのです。

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